煙に巻かれてみたい

我が家には顔も声も知らない人の遺骨がある。 どういう人生を歩んでいた人なのかは知らない。ろくでもない人間だったということしか、母の口から断片とも言えないくらいの情報しか、知らない。 かれこれ二年ほど、我が家の片隅に放置されている。時々遺骨の…

偽撃転殺の計

もう戻れない、というのが好い。 一族記とか、全体小説と言えば赤朽葉家の伝説とか百年の孤独くらいしか読んだことが無いんだけれども、割と好きです。良い時期も悪い時期もあって、その波に揺られながら細く太く繋いでいくそのドラマチックさとか、面白さを…

きっと半角スペースよりも狭い

生ハムメロンを知ったきっかけが漫画だったことが悪いのか私の味覚センスによるものかは分からないが、切ったメロンの上に生ハムが乗ったギャグ漫画じみたものにも食べる作法があると知って以来、生ハムメロンがこの非情で冷酷な現実に存在する世界の綻びの…

差したままの憧憬

それは短い春が終わって夏が始まる前の、季節が曖昧な灰色の空の時期の、最後の夜だったと思う。 中学生の中だるみの時期だって先生も口酸っぱく言っていた2年生の、一番ぼんやりと過ごしたであろう年が今でも鮮明に思い出せるのは、その夜に空から降って庭…

メモーリア・プラエテリトールム・ボノールム

昔の幸福の思い出、という意味らしいです。 つい先ほど、シャーリイ・ジャクスンの「ずっとお城で暮らしてる」を読み終えて、とんでもない物を読んでしまった!という気持ちになりながら読書メーターとブクログを更新して、若干放心したまま何を言おうか考え…

ケーキと敬意の話

何が楽しくてクリスマスの夜にこんな話をせにゃならんのだ… 楽しいクリスマス気分を台無しにされたくなければ今すぐこんなブログなんか見るのやめて乳繰り合うなり楽しい事しててくれや…… ほんっとにしょうもない話で泣けてくるのだが、事の起こりは12月某日…

ダメ人間たるもの

頭を掻き毟りたいほど笑ったのは初めてだ。 今日は午後から仕事があることを知りつつ、朝から昼まで寝ていた。一週間以上前からわかっていたにも関わらず、どうも生活リズムを調節する気も起きないままになあなあで過ごしてしまった。こういうのは「やる気が…

生か、しからずんば死である

趣味のよさというものは物事を強調しないことにある ラットが死んだ new words feat.SymaG - MusicVideo まぁつまり、一週間ほどかけてカミュのペストを読み終えたという話。 ページ数にうんざりするよりも、これだけあれば読み終わることに対する物惜しさみ…

読み終わった瞬間忘れて欲しい

自分で自分のことをクソだと大声で詰ってしまいたくなることが3日に1度ある。常にクソだと思っているが、大声で叫びたくなるのは3日に一度くらいだ。毎日じゃないところが却って正気では無いみたいで好い。 他人をクソだと思う10倍の頻度で自分のことをゴミ…

ラクダ味の煙草

誰とは言わないが。 つい最近とある女優さんと熱愛報道された俳優さんが出ているドラマを、久々に見ていたんですけど、なんというか、演じてらっしゃる役が、こう、今の私にガツンとクリティカルヒットする感じで、ドラマをみているときの恋に夢見る女子中学…

メンフクロウの覆面

三日ほど前に仕事をして、帰って来てからは力尽きたように頑張ろうと思っていたことを一切やらなくなった。とにかく気力体力精神力の回復に専念して、ようやく復活の兆しが見えた。つまりまだ気力がない。なにもしたくない。お湯が使えるうちに皿洗いはした…

朝ごはんが食べたい

何を書こうとしていたか忘れてしまった。まぁ、そういうこともあるだろう。 今日は、お昼前に起きて部屋を出てすぐのところにぶちまけられていた猫のゲロを避けて階段を降りる羽目になる。この時点では、まだ処理が面倒だけど結構広がってるし、踏んづけてし…

脳みその小間切れ

思ったことを言葉にしようとすると、その瞬間から感情や思考の鮮度や純度が失われていく感じがします。ぴたりと当てはまる言葉だけを吐き出して生きたい。 人との適切な距離感がよくわからないまま四半世紀経ってしまって、未だにどうしたら良いのかわからな…

飼い猫に対する真摯な愛情について

猫が好きです。大好きです。口の中に入れても痛くないくらい好きですけど口の中に入れたら口の中毛だらけになるので御免です。 顔を洗うときとか、机で何か作業するときとか、そばに猫がいると時々私の頭と猫のケツがニアミスします。怖いです。横を向くと肛…

じゅーぶんのいち

考えていることの十分の一も言葉にできていない。 というのは、本当はいろいろと考えているけどそれ全部言葉にしたら角が立つから言葉を選んで口にしている、という意味ではなく。 考えることの全てを言葉にするのは大変だということ。 誰かがぽつりと呟いた…

シクラメン

好きな作家さんの話をします。 ところで、私のブログタイトル、誰かが気付けるものなのかどうかわかりませんが、「ちくわパン」から始まり「いくら丼」と続いて、今回は「シクラメン」にしました。これにはとくに意味は無いんですが意図はありまして。 ちょ…

いくら丼

平素より大変お世話になっております。 「そういえば、今日って土曜日なんですね。」 という書き出しから始めて、その辺によくいる曜日感覚の曖昧なニートの話をしようと思っていましたが、なんやかんやしているうちに日曜日になってしまったのでやめました…

ちくわパン

実は、ちくわパンが好きなんです。知ってます? ちくわパン。 知らない人は今すぐ道民御用達のセイコーマートに行って惣菜パンの並んだ棚を見てきてください。ついでに買ってください。それ私にください。ニートは人間の慈悲によってのみ生きるんですよ、皆…