偽撃転殺の計

う戻れない、というのが好い。

 

一族記とか、全体小説と言えば赤朽葉家の伝説とか百年の孤独くらいしか読んだことが無いんだけれども、割と好きです。良い時期も悪い時期もあって、その波に揺られながら細く太く繋いでいくそのドラマチックさとか、面白さを訊ねられたら推せるポイントはあるんだけれども、別に誰かに推したいとか言うわけではなく。ただちょっと涙腺が緩んだというだけの話がしたい。

 

 

随分前に作業用として観ていた俺屍実況があるんですけど

 

 

これが好きで好きで、今でも時々見る。世代としてはヤバ吉の頃が一番好き。

 

そんでな、軽い気持ちでな、MAD観ちゃったらね、自分でも困惑するくらい泣きそうになってな、これだから一族記はやめらんねえぜ、みたいな気持ちになって。

 

 

作者の絵が上手いのもあるんだけど、真名姫戦のワンカットとか世代交代のタイミングの1人だけ残してメンツがごそっと変わる演出とかグッと来て一瞬息が止まっちゃった。ずるい。小憎い。

 

俺の屍を越えてゆけ自体がずるいゲームだもんなぁ。後悔に似た悲しみみたいなのすごく嫌いなんだけど、すごく好き。

 

 

 

誰かが何かを成し遂げたとき、志半ばで先立った者たちの気持ちを勝手に考えて、勝手に泣けてしまう。

三者目線の身勝手で無責任なカタルシスを定期的に摂取して自分のしょうもない人生から目をそらしてお茶を濁していきたい。

 

虚誘掩殺の計