2018-01-01から1年間の記事一覧

偽撃転殺の計

もう戻れない、というのが好い。 一族記とか、全体小説と言えば赤朽葉家の伝説とか百年の孤独くらいしか読んだことが無いんだけれども、割と好きです。良い時期も悪い時期もあって、その波に揺られながら細く太く繋いでいくそのドラマチックさとか、面白さを…

きっと半角スペースよりも狭い

生ハムメロンを知ったきっかけが漫画だったことが悪いのか私の味覚センスによるものかは分からないが、切ったメロンの上に生ハムが乗ったギャグ漫画じみたものにも食べる作法があると知って以来、生ハムメロンがこの非情で冷酷な現実に存在する世界の綻びの…

差したままの憧憬

それは短い春が終わって夏が始まる前の、季節が曖昧な灰色の空の時期の、最後の夜だったと思う。 中学生の中だるみの時期だって先生も口酸っぱく言っていた2年生の、一番ぼんやりと過ごしたであろう年が今でも鮮明に思い出せるのは、その夜に空から降って庭…

メモーリア・プラエテリトールム・ボノールム

昔の幸福の思い出、という意味らしいです。 つい先ほど、シャーリイ・ジャクスンの「ずっとお城で暮らしてる」を読み終えて、とんでもない物を読んでしまった!という気持ちになりながら読書メーターとブクログを更新して、若干放心したまま何を言おうか考え…